8月25日、広島厚生年金会館にて、NPO法人茨城県経営品質協議会 代表理事 鬼澤慎人氏をお招きし、経営品質実践セミナー(第2回)を開催しました。その講演内容の一部をご紹介いたします。
●経営品質が目指す「素晴らしい経営」とは
経営品質が目指しているのは、素晴らしい経営である。
経営品質でいう評価は、自分ではなく相手が決める評価である。素晴らしいという評価も相手が決める。お客様や地域が素晴らしいと思ってくれて、社員が胸をはれる企業を経営品質の考え方は目指している。
事業規模が大きいとか儲かっているということだけではなく、尊敬される会社を目指しているのである。
●経営品質とは
「経営品質」は、経営の品質(クオリティー)と置き換えることもできる。
「品質(クオリティー)」とは、目的や基準に対しての適切さの状態≠いう。
「経営」とは、構想や想いをつくり、それを実現すること≠ナある。
要するに構想とか想いを実現していくことに対する適切さの状態≠ェ「経営の品質」である。
企業が続くためには、企業そのものの価値を世の中で認めてもらわないと淘汰され潰れてしまう。要するに、役に立つ≠ニいうことが必要となる。世の中の変化の中で役に立ち続けないと企業は生き続けられない。要するに、適切さの状態≠常に高め続けていかなければならない。
●永続することの大切さ
日本で一番古い会社組織は、578年創業の金剛組である。長く続く秘訣は、「常に変化することだ」といっている。暖簾やお客様を大切にする思いは守り続け、新しい技術や新しい考え方は取り入れて変化に適応していかなければいけない。
ダーウィンは、「進化論・種の起源」の中で、『最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるわけでもない。唯一生き残るのは変化できる者である』といっている。その時代に、最も利益を上げても規模が大きくても、時代の変化に適応していかなければ絶滅するのである。
●改善から革新の時代
「改善」とは、今までのやり方をより良くすることである。「革新」は、今までのやり方とか考え方を変えると言う意味である。従来の経営のやり方・考え方では通用しないので、過去の延長線上ではなく、新たに生み出すことが求められている。
しかし、それは、新事業だとか商品開発ではなく、経営そのものを革新することが求められている。
たまたまヒット商品ができて「良かった!」ではなく、その商品やサービスを生み出せるような組織をつくらないと結果的に長続きはしない。
組織は、人の集合体である。一人一人が変化に対して敏感になり、変化に素早く適応していく、もしくは、自分達で変化を作り出していくような人の集まりを作っていく必要がある。それが風土であり、企業文化である。まさに、それが組織の状態である。
社名とか事業部制を導入するなど目に見えるものを変えて変革した気になってはいけない。我々が変えていこうとしているものは、時代の変化を認識しお客様の期待に素早く対応できる文化や風土という目に見えないものである。つまり、それが経営の品質が高いということである。
●変革を妨げるもの
多くの企業は、凄まじい外部環境の変化を見たくない、避けたいと思っている。結局は、その組織にいる人の意識を変えることが必要である。
変わらないのは、「できている、ちゃんとやっている(自己満足)」、「今までこれでやってきた(保守主義)」、「たいした問題ではない(思い上がり)」という意識があるからである。
ロバートハートレーは、こういう考えを人間は、みんな、もっているので意識的に気をつけないといけないといっている。上手くいっている時にこういう考えに陥りやすい。だから、そこそこ上手くいっている企業は危険なのである。組織は、外の敵にやられるのではない。内部から腐っていくのである。
※講演録をただいま作成中です。
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